ナノ粒子は、振動流動分散機の振動乾燥機構造を応用した乾燥機で乾燥します。この乾燥原理は、ジャケット本体を加熱・加温し、同時に本体内に送り込むエアーも加熱、特殊なノズルを使用して粉体に吹きかけ、次第に粉体の表面からナノ粒子を乾燥します。また、エアーを吹き込むことで、ナノ粒子を缶体内に浮遊させ、この浮遊したナノ粒子を、別置きの集塵装置で補修します。振動流乾燥機で乾燥したものは、1次粒子に近いパウダー状で乾燥することが可能となります。
1 | ジャケットによる間接加熱 |
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2 | 本体内のナノ粒子へ加熱エアーを直接噴射 粒子の分散範囲:1nm 〜 10,000nm |
3 | 直接噴射による対流発生を利用しナノ粒子を捕集 |
振動流動分散機
振動乾燥機は、撹拌式・回転式の乾燥機と比較すると、撹拌羽根や回転する物がありません。
これにより、異物の侵入を防ぐことが可能となります。
また、構造がシンプルなため洗浄がしやすく、そのため真空や密閉が簡単にできます。
振動乾燥機 縦型・横型共に内部構造に凸凹がなく、構造がシンプルかつ間接加熱で乾燥できるので、コンタミを防ぐことができます。
サニタリー化が容易なため、GMP対応可能。
VU型 内部写真
VH型 内部写真
振動で流動化することにより、缶体表面から粉が浮遊した状態になることで、缶体の磨耗が軽減されます。研磨剤等の材料乾燥に使用されています。
塩酸、硫酸など酸性の強い腐食性の原料を乾燥させる場合は、缶体そのものが溶けてコンタミ(異物)の原因になってしまう場合があります。
これを防ぐために当社では、テフロンコーティング、ハステロイなど、特殊素材で缶体を製作することも可能です。
缶体製作可能材質:SUS304・SUS316・ハステロイ・チタン
ライニング可能材質:テフロン系(PFA・PTFE)、パイロコート
撹拌式・回転式乾燥機は、回転部が乾燥機内部にあり、軸シール部の洗浄に時間がかかります。撹拌羽根等の回転体があると、羽に粉が付着し、軸シール部(グランドパッキン)がコンタミ(異物)の原因となります。
1 | 缶体と羽根とのクリアランスに原料が固着します |
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2 | 粉が羽根に付着します |
3 | シール材・金属磨耗粉の発生がありコンタミとなります |
振動乾燥機は、30℃から250℃までの幅広い温度帯で乾燥が可能です。
低温の場合は、温水加熱で対応し、高温の場合は、スチーム加熱や熱媒加熱で対応します。
振動乾燥機は、お客様のニーズにあった使用条件のもとで設計製作しますので、低温から高温までの加熱条件が可能となります。
※特殊仕様・熱媒油加熱も可能です。
詳細はお問い合わせください。
有機溶剤のほとんどのものは、呼吸器と皮膚を通って人の体に入ってきますので、健康障害を引き起こす場合があります。
振動乾燥機は密閉構造で原料を乾燥させるため、悪臭や健康障害を予防することができます。
有機溶剤は、缶体を腐食させたり溶かしたりする特性があります。
振動乾燥機は構造がシンプルなため、缶体をいろいろな材質で製作できますし、シールド材等も溶剤に合わせて選定できます。
振動乾燥機は、耐圧防爆構造規格のモーターなどを装着することにより、危険度の増す防爆エリアにも設置することができます。
VOCとは、揮発性有機化合物のことを言います。このVOCは、難分解性であることが多いため、浸透して土壌や地下水を汚染させ、大気中に放出されると、光化学反応によってダイオキシンなどの発生源として考えられ、大気汚染が懸念されます。
振動乾燥機は、密閉構造で乾燥するため、有機溶剤等を回収することができるため、環境問題にも貢献できます。
振動乾燥機は、乾燥機から真空ポンプまでが密閉構造のため、原料に含まれている溶剤を加熱することにより蒸発させ、コンデンサー(凝縮器)でベーパーから液体に凝縮、タンク内に溶剤を貯めることで溶剤の再利用ができます。
固液分離の難しい原料の乾燥 |
液中に溶解している成分を脱液したくない原料の乾燥 |
1工程増えることで異物混入を防ぎたい原料の乾燥 |
乾燥が進むにつれて、粉の動き(流動化)が良くなり均一な乾燥が出来ます。
原料サンプル
回転式と比べて内部に凸凹がなく、
シンプルなので洗浄が容易です。
開口部が大きく簡単に開閉できます。
保温外装板は溶接構造なので、
缶体に水をかけてもOKです。
振動乾燥機は、振動と真空により原材料を乾燥させているため、原材料は常に流動状態となっています。
これは振動乾燥機の大きな特長です。
通常であれば設備を停止して原材料を取り出して次へ送るといった工程で作業を進めていきますが、振動乾燥機の場合、原材料が流動状態であるため次の工程へ流し込むことが可能となり、自動投入装置と排出機器を接続することで自動化が可能となります。
洗浄は、機器内に死角が無いので、スプレーノズルを機器内に設置することにより自動洗浄も可能です。
構造がシンプルなため、羽根などの高価な部品やシール部の部品交換がありません。
消耗品 | 振動を支える防振スプリング、駆動部品、フィルター |
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